NTTドコモやKDDIに比べて、携帯電話がつながりにくいソフトバンク。
7月28日、ソフトバンクは東京・汐留の本社に20社弱の通信工事会社を集めて、説明会を開催。
内容は「東京PBプロジェクト 新局建設の概要・コンセプトについて」だ。
PBは「プラチナバンド」の略称で、700〜900メガヘルツ帯の周波数を指す。
建物を迂回して届くつながりやすい電波であることから付いた呼び名だ。
ソフトバンクはプラチナバンドの基地局の建設を10月から2年ほどかけて実施。
都内では今年12月からアンテナ設置に着手し、13年3月末までに5割を稼働させる予定。
工事総額は2500億円超とみられる。
「ものすごい規模の工事になる。業界内では、“最後の大型インフラ工事”と言われている」
(中堅通信工事会社のソフトバンク担当幹部)。
9月にも正式契約となる見通しだ。
ソフトバンクはこの帯域の獲得を見込んで、工事発注に動き出したのだ。
「まだ認可が下りていないのに発注するなんて、聞いたこともない」。業界関係者は異口同音にいう。
それでも踏み切るのは「トラフィック(通信量)の急増でそうとう苦しく、
(900メガヘルツ帯で)一刻も早く電波を出したいという意向のためだ」(前出の工事会社幹部)。
900メガヘルツ帯は来年7月から利用が許可される。
同社としては、解禁と同時に電波を飛ばし、負荷が大きい現在の周波数帯からトラフィックを逃がしたい。
基地局建設には用地選定や建物所有者との折衝などでも時間がかかるため、
見切り発車で始めた、というのが今回の背景だ。
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